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ブラジル連邦共和国調査結果報告

掲載日2008.03.31

出張者

国際安全衛生センター 業務管理課長

1.目的

  1. 労働安全衛生情報の収集
  2. 日系進出企業の安全衛生事情調査
  3. 現地関係機関との情報交換

2.調査日程

12/16(日)
東京発
12/17(月)
ブラジル:サンパウロ着
12/18(火)
日系企業:
(1)YKKブラジル社訪問、調査実施
(2)フンダセントロ研究所(労働省所管国立機関)訪問、調査実施
12/19(水)
リオ・デ・ジャネイロへ移動
12/20(木)
(3)オズワルドクルス財団研究所(厚生省所管国立機関)訪問、調査実施
日系人経営企業:
(4)パワーブラス社訪問、調査実施
12/21(金)
リオ・デ・ジャネイロ発
12/22(土)
機中泊
12/23(日)
東京着

3.調査結果

  1. YKKブラジル社
    • 会見者:会長、総務部長
    • 会社概要:1972年設立。1975年生産開始。ブラジル国内2工場。ファスナー、アルミサッシ等製造販売の他にコーヒーも栽培から販売まで実施している。従業員数約700名(内日本から赴任者13名)。
    • ブラジル人は、指導者がトップダウンできちんとコントロールすれば、まじめによく働く。しかし、日本の労働者のようにボトムアップは期待できない。
    • 労働安全衛生に関わる状況は、労働組合出身であるルーラ氏が大統領になったことにより、労働者保護を手厚くする法律改正が行われた。ルーラ大統領は、フォルクスワーゲン社勤務時代に労災で小指を失ったことをきっかけとして、組合活動を活発化したとのことである。
    • 労働災害の発生状況は、微小なものがほとんどである。
    • 会長は、ブラジル工場設立時から携わっており、工場用水の確保及び排水処理設備の設置に苦労されたこと等、昔の苦労話を伺った。
  2. フンダセントロ研究所
    • 会見者:専務理事、技術部長、リスクアセスメント部門長他
    • 施設概要:労働省所管の国立研究機関。労働安全衛生に関する調査研究、試験検定、教育を実施している。職員約400名
    • 労働安全衛生に関する法令は、ルーラ大統領になってから、大幅な改正が行われ、労働災害は減少傾向にある。
    • 法令は、労働省のホームページに掲載されているので、そこから情報を取得できる。
      ブラジルの安全衛生法を参照。
    • 重要な情報及び図書資料について、データベース化作業を進めており、ホームページに公開している。
    • 現在最もホットな話題は、労働安全衛生マネージメントシステムである。プロジェクトチームにより推進する予定である。
    • フンダセントロは、ブラジルのCISのナショナルセンターであり、同じ日本のナショナルセンターである中央労働災害防止協会との協力関係を継続的に進めることに前向きである。
  3. オズワルドクルス財団研究所
    • 会見者:副理事長、秘書官、労働衛生・人間生態学研究センター所長他
    • 施設概要:厚生省所管の国立研究機関。衛生に関するほとんどすべてに関する事項(公衆衛生、食品衛生、労働衛生、伝染病、感染症、ワクチン製造、製薬等)の調査研究、医療、教育を実施している。職員約4,000名
    • 主に労働衛生・人間生態学研究センターにて、情報収集を実施した。
    • 現在の重要課題は、造船所の労働衛生対策、石綿・鉱山労働者の労働衛生対策、化学物質のリスクアセスメント、農薬散布労働者の労働衛生対策、労働衛生バイオマーカーの応用、局所排気装置に関する研究等である。
    • 局所排気装置に関する研究棟が、最近新設された。
    • 化学物質のリスクアセスメント、OSHMS及び局所排気装置関連の技術協力を要望しているため、技術協力の要請方法について助言した。
  4. パワーブラス社
    • 会見者:社長
    • 会社概要:1999年設立。船舶用トランス、インバーター製造販売。従業員数30名
    • ブラジルの労働基準法及び労働安全衛生法を遵守し、創業している。
    • 労働災害は、擦り傷等の軽微なものがほとんどである。
    • プレスには、安全装置を設置していないが、構造的に手指が金型とダイの間に入れられないようなものを使用している。
    • ブラジル人は、しっかり監視していないと納期が延びたり、製品の品質が落ちるたりするので、社長室から工場が見えるようなレイアウトにしている。
    • ほとんどの作業が金属加工作業であるが、保護具等を使用している作業者は一人も認められなかった。