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産業安全研究所特別研究報告 NIIS-SRR-NO.29(2004)の抄録

産業リサイクル過程における爆発・火災災害防止に関する研究(中間報告)

不均一反応の反応速度予測のための液滴径評価
藤本康弘
 リサイクル産業(廃棄物処理産業) においては、通常の化学産業のように一定品質の原料をベースにするという考え方は成り立たず、同様の化学的性質を持つ(と推定した) リサイクル物(廃棄物) をひとまとめとして考えざるを得ない。そのため処理量のスケールアップのために、同じ物だけでなく類似の物をひとつにまとめてから処理を行うということもしばしば行なわれる。こうした際に、リサイクル物質を排出した側からの内容物についての情報が不足していたり、あるいは情報そのものが間違っていたりすることによって、不適当な混合が生じて予期せぬ反応が起こり、爆発や火災災害を生じることがある。このような不適当な混合による爆発火災事故を減少させるためには、混合前のスクリーニング試験が欠かせない。そのための反応模擬装置のスケール効果の研究として、不均一反応の速度( 発熱速度) 時間変化の予測手法について、複数の異なる装置への適用状況を比較することを試みているが、本報では、複数装置への適用にあたっての基礎データとなる液滴径について実測した結果について報告する。(図6、参考文献8)  

アルミニウム粉じんと水との爆発危険性に関する研究
大塚輝人,板垣晴彦
 水は,最も広く使用されている消火剤である。しかし,ある種の金属と水が接触すると,水が酸化剤として働くため金属が発熱し,災害の拡大あるいは発生の原因となることがある。本研究では,近年マグネシウム-アルミニウム合金として電子機器の外装材に,また,日常生活においても様々な場面で利用されているアルミニウム粉じんを対象として,雰囲気中の水蒸気濃度が粉じん爆発に与える影響を1L 小規模爆発容器において測定し,完全な水蒸気雰囲気下でも粉じん爆発が起こることを示した。(図6,表1,参考文献3)

小型液化ガス入り容器の爆発火災災害の発生状況と着火実験
板垣晴彦,韓 宇燮
 国民及び産業界のリサイクルに対する関心が高くなっているが,リサイクル産業では爆発・火災災害が繰り返し発生している.本研究は,小型液化ガス容器やスプレー缶を原因とした爆発・火災災害に着目し,国民生活の安全とリサイクル産業における安全な処理を目的として,スプレー缶の噴射剤の種類と含有量や爆発・火災災害の発生状況の調査,及び,容器が破裂した際の漏出ガスの観測,可燃性ガスが漏出した際の着火範囲について実験を行った.その結果,スプレー缶のほとんどで可燃性ガス使用されていること,中には99%以上が可燃性ガスである製品があることを報告した.また,可燃性ガスが漏出した際,漏出点側の火炎が他の方向よりも長い距離を火炎が伝ぱすること,漏出点から着火源までの最大着火距離は漏出時間が1 secで46 cm,同2 secで64 cmであることを明らかにした.なお,今後は実際に市販されている製品が破裂した際について,実規模実験を行う予定である.(図12, 表1, 参考文献3)

粗大ごみ破砕処理施設における爆発防護に関する現地調査
八島正明
 粗大ごみ処理施設においては,爆発や火災によって設備の運転が停止し,市民生活に影響を及ぼさないように,爆発や火災の予防(未然防止)とともに,仮に爆発や火災が発生したとしても被害の拡大を最小限にする方策が必要とされている。本研究課題は粗大ごみ施設に適用できる実用的な爆発抑制技術の開発を目標とするが,平成15年度は実施初年度にあたり,施設の現状と現場の意見を聞き,問題点を抽出するとともに,実態猪を把握する目的で粗大ごみ破砕処理施設を実態調査し,爆発抑制技術の現状を調べた。調査は,地方自治体・広域組合の粗大ごみ処理施設7ヶ所(山形,宮城,埼玉,東京,岐阜,三重,奈良)と,家電リサイクル品に関わる民間の処理施設2ヶ所(東京と千葉)の計9ヶ所について行なった。調査の結果,爆発放散設備はいずれも設置されていたが,火炎検知消火剤噴射型の爆発抑制装置は設置と保守の費用がかかるため,装置された施設は家電リサイクル施設の1ヶ所のみであった。(図3,表2,参考文献17)



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