近年、静電粉体塗装は一般の吹付塗装に比べ,生産効率が高く,環境にやさしいという大きなメリットから普及率が極めて高い。しかし,静電粉体塗装は高電圧印加により塗料を帯電させ,接地した被塗物に向かって移動させる工程であり,放電による粉塵爆発・火災の発生が危倶されていることから,粉体塗料の最小着火エネルギー(MIE)を測定した。測定には,国内外で標準的に用いられているIEC規格に準拠した吹上げ方式着火試験装置(ハルトマン式、MIKE-3)を使用し,着火試験用粉体塗料としては,ポリマーを主成分とする粉体塗料(ポリエステル,エポキシ,ポリエステル/エポキシ,アクリル,ナイロン)及び5種類(色別)のポリエステル粉体塗料の計10種類を用いた。その結果,粉体塗料は数mJの小さい放電エネルキーでも着火する危険性が明かとなった。特に,粉体塗料の粒径を考慮すると、エポキシ粉体塗料の方が他の粉体塗料に比べて,着火しやすいという結果が得られた。また,粉体塗料に含まれている顔料などの成分によっては,MIEはほとんど変化しないことが明らかになった。(図5,表2,参考文献19)
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