![]() 独立行政法人産業安全研究所 と独立行政法人産業医学総合研究所は平成18年4月1日をもって統合し,独立行政法人労働安全衛生総合研究所となりました。 このページは,(旧)独立行政法人産業医学総合研究所のコンテンツです。(平成17年度までの事業関連等,一部統合後に更新されたものも含みます。平成18年10月2日をもって,このページの更新は終了しています。) |
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アーク溶接のブルーライトと光網膜炎の危険性作業環境計測研究部奥野 勉溶接アークは、非常にまぶしい光を発生します。これを直接見つめると光網膜炎を被る危険性がありますが、実際、そのような例が、多数報告されています。光網膜炎では、視力の低下、暗点の出現(視野の一部が見えない)、霧視(霞んで見える)などの症状が、数週間から数ヶ月、場合によっては数年以上続きます。この間、障害を受けた人は、大変な不便を強いられることになります。 光網膜炎の原因は、ブルーライトと呼ばれる目に青く見える光です。そこで、現在我国でもっとも多く使用されている溶接法である炭酸ガスアーク溶接について、ACGIHの許容基準に従い、ブルーライトの測定、評価を行いました(図1)。ブルーライトの強度(実効輝度)は、溶接電流が大きくなると強くなり、47-197 W cm−2sr−1の範囲にありました。この場合、光網膜炎防止の観点から溶接アークを見ることが許される時間(許容ばく露時間)は、1日あたりわずか0.5-2.1秒になります。したがって、溶接アークを直接見ることの危険性が確認されました。 一方、アーク溶接作業者は、溶接用保護面のフィルタプレートを通して溶接アークを見ます。そこで、さまざまなフィルタプレートを通して炭酸ガスアーク溶接のアークを見たときのブルーライトの評価を行いました(図2)。フィルタプレートを通して炭酸ガスアーク溶接のアークを見たときのブルーライトの強度は、ほとんどの条件で、長期ばく露(>104秒)に対する許容値よりも低いレベルにありました。2つの条件では、この許容値を超えていましたが、その超過量はわずかであり、実際上問題はないと考えられます。したがって、溶接用保護面の着用によって、光網膜炎を防止できることが確認されました。 ![]() 図1 炭酸ガスアーク溶接のブルーライトの強度 ![]() 図2 さまざまなフィルタプレートを通して炭酸ガスアーク溶接の アークを見たときのブルーライトの強度強度 |