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National Institute of Industrial Health

内分泌かく乱化学物質の影響

健康障害予防研究部 小林 健一

からだの中の環境調節機構には、内分泌系・免疫系・神経系があり、恒常性の維持(ホメオスタシス)を保っています(図)。内分泌腺から合成・放出されるホルモンは発生成長、生殖、代謝調節等、生体にとって重要な役目を果たしています。ところが、近年ホルモン様の動態を示す化学物質がからだの外から入り込み、内分泌系を乱す恐れがあることが指摘されてきています。これは、内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)問題とよばれており、ヒトの健康影響との因果関係が心配されています。

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図 内分泌系、神経系および免疫系が助け合って恒常性の維持を担う

化学物質の使用量の増加に伴ない、労働環境はもとより日常の生活に至るまで、化学物質にばく露される機会が増えてきました。既存の化学物質ついても新たに有害性の再評価が必要となってきています。化学物質と生体影響の因果関係を明確にするには、試験系を緻密に計画する必要があり、何をもって有害性ありと判定するかを決めることは難しいと言えます。また、実際の作業環境下においては、労働者や一般の人々が複数の化学物質に同時にばく露されていることから、ヒトへのばく露影響の予測に十分役立つように日々、問題となりうる化学物質をいくつか選んで試験研究をすすめています。

この研究は、地球環境保全等試験研究費「内分泌かく乱作用が疑われる化学物質の生殖系・次世代への影響評価に関する研究」の一環として行っています。これまでに、ビスフェノールA、ポリクロロビフェニル、フタル酸ジエチルヘキシルを対象として実験を行なってきました。現在は得られた結果を総括する段階にきており、影響評価に関する情報の提供に役立てられればと思います。今後も安全な職場環境の保持に役立てられる実験研究を進めたいと考えています。

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