独立行政法人産業安全研究所 と独立行政法人産業医学総合研究所は平成18年4月1日をもって統合し,独立行政法人労働安全衛生総合研究所となりました。
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独立行政法人 産業医学総合研究所
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National Institute of Industrial Health

フロン代替品

健康障害予防研究部  本間健資

 近年フロン等のオゾン層破壊物質の使用が規制され、これに替わる物質の利用及び開発競争が本格化しています。従って、これらのフロン代替品の有害性に関する情報が蓄積され、その情報が生産や使用の現場に充分周知されていることが望まれますが、現実にはこれらの情報は少ないかあるいはあまり知られていません。数年前、韓国ではフロン代替品として使用していた2-ブロモプロパン(2BP)によって多くの作業者が乏精子症ないし無精子症、あるいは月経停止および貧血などの中毒症状を呈しました。また、冷媒として使用されていたHCFC123による肝障害もベルギーや日本で発生しています。このような状況からフロン代替品による健康障害を予防することが重要と考え、「フロン代替品に係わる労働衛生対策確立のための研究」というプロジェクト研究を遂行しています。
 このプロジェクトでは、2BPをはじめとしてその異性体の1-ブロモプロパン(1BP)やジクロロプロパンなどの生体影響を検討しています。2BPが生殖毒性を有していたことや近年のいわゆる環境ホルモンへの社会的注目度の高さから、化学物質の生殖系への影響が重要と考え、2BPおよびプロパン誘導体の生殖系への影響を動物実験で調べることから着手しました。図1では、肝臓などへ影響の無い投与量で雌マウスの排卵が2BPの投与によって抑制されたことを示しており、この結果は2BPが雌動物の生殖機能を障害することを証明しています。更に1BPなどによる生殖障害や神経系・脳への影響をラットを使って検討しており、これらの詳細な結果は下記の論文に掲載しています。生殖系・神経系以外の臓器やプロパン誘導体以外のジクロロメタン等の物質の生体影響についても動物実験による検討を続けています。また、フロン代替品の使用現場の調査も重要と考えいくつかの調査も計画しています。この研究の成果が、労働衛生のさまざまな分野で役立つことを念願しています。 1. Ind Health 36, p.297. 2. Toxicol Ind Health, 16, p.277. 3. Toxicol Lett, 126, p.41.

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