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人造鉱物繊維の表面積
作業環境計測研究部 小笠原真理子
石綿代替品として人造鉱物繊維の製造量や使用量が増えていますが、その物理的、化学的な性質や人に対する安全性に関する知見は現在少しずつ蓄積されてきているのが現状です。
物質表面の凸凹の程度を示すために、表面積という概念が広く用いられます。物の大きさが同じ場合、表面積が大きいという事は、表面が凸凹していたり、小さな穴が開いている事を意味します。また物質の長さと幅が分かれば表面積は計算によって求められますが、表面が平滑な時、測定した値と計算した値とは等しくなるはずです。人造鉱物繊維はその製法から表面が平滑で表面積は小さく、また測定値と計算値とは一致する事が予想されます。
日本繊維状物質研究協議会は研究用に種々の人造及び天然鉱物繊維を配布していますので、今回それらの物質について表面積を測定しました。また電子顕微鏡観察から得られた繊維の長さと幅の値を用いて計算した表面積と、その測定値との一致の程度から、鉱物繊維の表面の平滑さを評価しました。
今回、測定した物質は次のとおりです。(1)人造鉱物繊維として、グラスウール、ロックウール、マイクログラスウール、セラミックウール。(2)ウィスカーとして、炭化ケイ素ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー。(3)天然鉱物繊維としてクリソタイル、クロシドライト、アモサイト、アンソフィライト、トレモライト、ブルサイトファイバー。
表面積を測定して得られた知見
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人造鉱物繊維は表面積が小さく、かつ計算値とよく一致し、予想どおり表面は平滑、という結果が得られました。 |
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ウィスカーについては表面が平滑なものばかりでは無い事が分かりました。例えばチタン酸カリウムウィスカーでは、電子顕微鏡写真aの様に割れ目のある場合には、割れ目のないbに比べて、表面積は約2倍でした。 |
| 3) |
天然鉱物繊維は顕微鏡観察から表面に割れ目や裂け目等のある事が知られていますが、測定したいずれの物質でも測定した表面積が計算値を上回りました。同じ名称で分類される物質でも、表面積は産地により大きく異なります。 |
顕微鏡観察と表面積の値を総合することにより、表面構造について詳細な検討ができ、今後の研究の一助となることが期待されます。
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