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| 健康障害予防研究部は、職業性疾病を効果的に予防するために、さまざまな化学物質による中毒や労働負荷による職業性疾病などの病因や発生メカニズム、あるいは性・年齢・遺伝的素因などの要因が職業性疾病の発症に与える影響などについて、実験研究を主とした研究を行っています。また、職業性疾病を早期発見し生体影響を検出評価するために有効な新たな指標や、有害物質へのばく露の程度を知るための体内指標を見出す研究も行っています。さらに、実験に必要な動物の飼育・管理も行っています。最近の主要な研究テーマには化学物質の内分泌・生殖、免疫、および神経行動影響などが含まれます。 |
| 近年内分泌かく乱物質("環境ホルモン")の問題が社会的関心を呼び、化学物質による労働者の生殖障害や成人男子の精子減少も懸念されていますが、職場の化学物質がホルモンや生殖器・卵子・精子へ及ぼす影響について研究しています。ハロゲン化プロパンや可塑剤などの生殖毒性を、実験動物の性周期・排卵などの変化や生殖器の組織像の所見から検討しています。また、妊娠中の親動物にばく露したときの2世代にわたる影響も生殖系や甲状腺の変化から検討しています。さらに、テトラゾリウム発色法やコンピューター画像解析法を導入し、より簡便で効率のよい精巣毒性試験の開発を目指しています。 |
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| 脳内神経摸式図と有機溶剤の作用 |
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神経系に対して有害作用を及ぼす有機溶剤などの化学物質の生体影響を同定してその程度を調べるために、ラットなどの動物に化学物質をばく露して脳内物質の変化を測定しています。神経毒性の指標として、アセチルコリン・ドーパミン・セロトニンなどの神経伝達物質について、自由行動ラットの脳内濃度や合成・代謝あるいは培養細胞に発現させたヒトムスカリン受容体などの変化を測定しています。 |
| 化学物質が行動に及ぼす影響を調べるために、ラットなどの動物に化学物質をばく露して行動の変化を測定しています。学習行動におよぼす影響を計るためのスケジュール制御オペラント行動(SCOB)試験や、新奇場面への適応性から情動性への影響を評価するオープンフィールド行動試験などの手法を使用しています。さらに、妊娠動物に化学物質をばく露したとき出生仔に現れる行動変化も調べています。 |
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| ラットを用いたSCOB試験 |
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| 摘出心筋を用いた実験 |
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有機溶剤やガス状物質などの化学物質による肝臓・腎臓障害や心筋障害などのメカニズムを調べ、新たな生体影響指標を見出すと同時に、複合的なばく露条件における生体影響を評価するための指標や評価手法を検索しています。また、ばく露濃度の低減化に伴って、化学物質の低濃度ばく露において有効な臓器障害の検出法や高感度生体影響指標の開発も行っています。 |
| 生体ではメタロチオネイン(重金属結合蛋白)のようなさまざまな生体防御物質が働いていますが、これらの生体防御システムの作用機序を明らかにして、有害因子へのばく露の新たな指標の開発に応用する研究を行っています。蛋白質・脂質・生体内酸化還元物質や遺伝子発現への影響などを手がかりとして、有機物・金属・鉱物性繊維・紫外線などの有害因子の生体防御系への作用機序を調べています。 |
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| 生体防御系の働き |
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| 有害物質と遺伝子との相互作用 |
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生体にはチトクロームP450などの異物代謝酵素系が存在し、体内に入った異物と反応します。化学物質へのばく露によってこの代謝系の遺伝子発現が修飾され、個体の遺伝的多型が化学物質の代謝・毒性発現に影響を与えます。ここでは、リアルタイムPCR法などの研究手法によりこのような化学物質の異物代謝系への影響を調べ、有害な化学物質へのばく露の新たな指標の開発や生体影響評価法の検索・ばく露限界値の設定などに役立てる研究を行っています。 |
| 化学物質や労働負荷などによる健康影響について、ヒトにおける健康障害を動物のばく露実験から予測し予防する研究、あるいは職場の健康障害事例の解析などの研究を行なっています。また、健康障害の早期発見につながる血液や尿の検査項目や化学物質のばく露の程度を知るための生物学的ばく露指標(Biological Exposure Indices: BEI)の開発も行っています。 |
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| 動物ばく露装置 |
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