独立行政法人産業安全研究所 と独立行政法人産業医学総合研究所は平成18年4月1日をもって統合し,独立行政法人労働安全衛生総合研究所となりました。
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研究部の活動

作業環境計測研究部

 作業環境計測研究部は、労働者の健康障害防止のための作業環境管理を適切に行うために、化学物質や有害光線などの物理因子の測定方法や評価方法、あるいは発生予測などの研究を行っています。
 鉱物粉じんや金属ヒュームなど浮遊粒子状物質の物性把握、化学物質や物理因子の詳細な分析など、生体影響解明の基礎となる研究から、産業変化に対応した化学物質の新しい計測方法の開発、不定期作業でのばく露防止対策、呼吸保護具や工場排気対策に使われる吸着剤の研究など、現場ですぐに役立つ技術開発も行っています。

ダイオキシン類その他の有害化学物質計測法の開発
 産業界に次々に導入されている新規化学物質(有機ガスや粉じん・金属ヒュームなどの浮遊粒子状物質)や非意図的に発生するダイオキシン類のような物質に対して、新たな計測法の開発に取り組んでいます。既存の物質についても作業環境の変化に対応して、従来法をより高感度で効率的なものに改良する研究や新しい発想・機器による方法の開発、あるいは簡便な計測法の開発も行っています。有機ガスに対してはリアルタイム計測器の応答特性、作業環境および作業者の血液中ダイオキシン類測定法の高度化の研究なども行っています。また、繊維状物質の測定法の開発と安全性評価法の研究や新素材の作業環境測定法の研究、さらにばく露実験のためのエアロゾル生成技術の開発も行っています。
ダイオキシン分析用超高性能ガスクロマトグラフ質量分析計と、ダイオキシン類で最も毒性が強い2,3,7,8-TCDDの分子モデル
ダイオキシン分析用超高性能ガスクロマト
グラフ質量分析計と、ダイオキシン類で最も
毒性が強い2,3,7,8-TCDDの分子モデル
浮遊粒子状物質の物性評価
人造繊維状鉱物と希土類金属酸化物粒子
人造繊維状鉱物と希土類金属酸化物粒子
 作業環境中の鉱物粉じんや金属ヒュームなどの浮遊粒子状物質は、多様な物性状態で存在しており、その差異により生体影響も異なることが知られています。例えば金属ヒュームでは、価数や金属状態か酸化物かで毒性も異なります。また、繊維状物質では、同一種であっても形状、サイズ、溶解度、表面性状などが違うと生体影響は大きく異なります。こうした物性の違いを基にした環境評価法の開発をめざして、そのための基礎研究を行っています。
有害ガス吸着剤の研究
 呼吸保護具や空気清浄、環境測定などに使われている活性炭やシリカゲルなどの有機ガスの吸着剤は、有機ガスの種類や環境の違いにより捕集効率や破過時間が異なっていて、その検知方法が課題になっています。また、産業界では、吸着剤を繰返して使用することが環境保護の面から検討されています。こうした状況に対応して呼吸保護具や排気装置用吸着剤のより安全な使用法の研究を行っています。
粒状活性炭の割面の様子
粒状活性炭の割面の様子
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有害光線の計測・評価
溶接時に発生する強い光
溶接時に発生する強い光
 溶接作業時に発生する赤外から紫外に至る有害光線から作業者を保護するために遮光保護具を用いますが、実際の作業では完全な保護ができないのが現状です。また、近隣作業者も、保護メガネ未装着のことが多いために有害光線の影響を受けることがあります。そこで現実の溶接作業現場における有害光線ばく露の実態データを集積するとともに、さまざまな光源からの有害光線の計測・評価を行うなど、障害防止に貢献する研究を行っています。
屋外作業、不定期作業の作業環境評価
 塗装作業やタンク内洗浄作業、保守点検作業などに従事している作業者の有機溶剤へのばく露の実態は不明な点が多くあります。こうした作業が主として行われる屋外や臨時・不定期作業時の時間的空間的な有機ガスの発生状況の把握に必要な測定方法の開発や、その測定方法を用いた現場調査データの集積などを行っています。
ボイラー内の点検修理作業
ボイラー内の点検修理作業
分子構造からの化学物質の有害性予測
 わが国で現在労働者が扱う化学物質は約5万5千種に上りますが、そのうちかなりのものが人体に有害となる可能性があります。その有害性は疫学的方法や動物実験によって特定されますが、現実には時間的またコスト的制約により、わずかな物質について分かっているだけです。当研究部では、構造活性相関的手法を用い、分子構造に基づくコンピュータ計算により多数の化学物質の有害性を予測するシステムの開発を行っています。
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