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特別研究報告 SRR-82-1 の抄録

 

木工機械作業の総合的安全化に関する特別研究

木工機械作業における安全対策のMORTによるシステム的検討
佐藤吉信、深谷潔、江川義之

木工機械作業に関して,災害データ分析,実地調査,およびアンケート調査を実施した。それらの資料にもとづいて,木工機械作業の安全対策の問題点に関して,MORT(Managent Oversight and Risk Tree)を用いた系統的評価を行うことによって,当該作業の災害に対するリスクの性質が同定された。これらの解析結果から当該分野における最善の安全対策と,それの満たすべき要件とが論じられた。(図31,表11,参9) 


汎用木材加工機械の機能的安全化に関する研究
杉本旭、佐藤吉信、深谷潔

汎用の木材加工用機械による労働災害は,昇降丸のこ盤による災害に見られるように,典型的には(1)刃物に作業の手が触れることによる接触災害,(2)反発した材にぶつけられることによる反発災害の2つのタイプがある。しかし,近年,多品種少量生産においても生産性の向上が叫ばれ,そのため,より使い易い安全装置の要求が強い。
 ここでは,昇降丸のこ盤作業を研究対象とし,機械のフェールセーフ化及びフールプルーフ化が検討された。機能的安全対策の基本は,人間の手指が不用意に回転刃物に接近した場合,それを電気的に検出して,また反発をできる限り早期に検出して主軸を急停止させることとしている。
 さらに,材の送給に対して作業者への負荷を減少させて,接触防止用カバーの現場への適用をうながすため,能動式接触防止用カバーを開発して,その性能評価を行なった。(図24,表2) 


切削工具との接触災害の防止に関する研究
深谷潔、杉本旭

昇降盤における接触災害に対して,模擬実験,現場測定,アンケート調査などを行ない検討した。模擬実験により逆走に対する人間の対応能力を調べた。アイマークカメラを用いた現場測定により,作業者の注視点の挙動を調べた。3種類の安全カバーを用いたモデル作業の動作解析と,安全装置についてのアンケート調査から,安全カバーの使用上の問題点について検討した。(図16,表8) 


木工面取り盤の集塵装置の開発
木下鈞一

木工面取盤で使用される集塵装置について2種類の方法を考案し,実験及び数値シミュレーションを行ってその効率について検討し,実用上の設計資料を得た。(図20,表5,参9) 


木粉集じんシステムにおけるダストの爆発・火災危険性
松田東栄、内藤道夫

木粉集じんシステムにおいて,空気速度が粉じん爆発の伝ぱに及ぼす影響を検討した。内径7.5および10cmの鋼管中では,木粉の爆発上限界は空気速度の増大によって大きく影響を受けるが,下限界は変らないようである。高速気流および比較的低濃度を扱う集じんシステムでは,瞬時に爆発が伝ぱする危険性がある。配管からの噴出火炎による着火源の際にも,爆発ベントでバグフィルタを防護することができた。(図7,写真6,表1,参9) 


堆積木粉類の酸化発熱性状
琴寄崇、内藤道夫

15種の木粉につき,それらの酸化発熱性状ならびに断熱条件下における酸化にもとづく発熱速度をDTAおよびSITを用いて測定した。
 その結果,赤ラワンは非常に酸化発熱しやすい樹種であることがわかった。また,150℃付近における木粉の酸化発熱反応は初期においてはほぼ零次であることがわかった。(図62,表2,参5) 


木粉類ダスト層の最小発火エネルギーの検討
松田東栄、内藤道夫

ダスト層の発火エネルギー測定法を検討して,11種の木粉ダスト層の最小発火エネルギーを測定した。平均粒径10~22ミクロンの木粉試料の測定値は3~16mJの範囲にあり,粒子径は最小発火エネルギーに大きな影響を及ぼす。電極近傍における放電火花によるダスト粒子の飛散が,ダスト層の発火に必要である。(図11,写真4,表1,参13)