労働安全衛生総合研究所

ロールボックスパレット使用時の手部負傷を防止するための手袋一体型プロテクターの開発

独立行政法人労働安全衛生総合研究所

 ロールボックスパレットとはカゴ車とも呼ばれる荷役機器の1つです(図1)。見たことがある方は多いと思いますが,この名称をご存知の方は少ないのではないでしょうか。ロールボックスパレットを用いることによって輸送時の積荷損傷リスクの低減,輸送・保管の一元化,商品棚として使用可能など,多くのメリットを享受できることもあり,様々な物流現場で使用されています。


図1 ロールボックスパレット

 その一方で,ロールボックスパレットを使っているときに手足を負傷する災害が多く発生していることが私たちの研究によって分かってきました。詳細は文末に記載した文献をご参照ください。この手足負傷の大半は「激突」と「はさまれ」です。典型的な例として,積荷が重すぎて思い通りに止めることができずに足に激突するパターン,壁に幅寄せしようとした際に支柱が端部にあるため手がはさまれるパターンが挙げられます。このような負傷を防止するために,すねやアキレス腱を保護するプロテクターがいくつか市販されていますが,残念ながら手を保護するものはありませんでした。
 このようなことからロールボックスパレット使用時に手を保護するプロテクターの存在が不可欠と考え,これまで約2年間にわたって企業と共同で手のプロテクターの開発を進めて来ました。開発に当たっては手袋の上に着用する方式では作業者がわずらわしく,使用の徹底も難しいと考え,手袋との一体型を採用しました。そしてこの度,平成26年9月9日から12日までの4日間にわたって東京ビッグサイト東ホールにて開催された,第11回国際物流総合展において最終プロトタイプとなる製品を公開しました。 本製品の概要はパフレットをご覧ください(図2)。
 

図2 「ロールボックスパレット用保護手袋」のパンフレット

 この展示会は2年に一度開催されるアジア最大級の物流関連のイベントです。4日間の入場者数は13万2,503人(主催者発表)であったことからもお分かりいただけると思いますが,社会的にも関心が高く,規模も大きいイベントです。本製品は共同開発したアトム株式会社(広島県竹原市)のブースに展示しましたが,多くの来場者から好評を得ることができ,手の保護へのニーズの高さがうかがえました。図3は展示ブースの様子です。


図3 展示ブースの様子

 今回はロールボックスパレット使用時の手の負傷を防止するための手袋一体型プロテクターの開発についてご紹介しましたが,その他にも多くの対策を打ち出していく必要があります。今後も本メールマガジンなどを通じて,ロールボックスパレット起因災害を防止するための情報を発信したいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

参考文献
  1. 大西明宏,清水尚憲:ロールボックスパレット起因による比較的軽微な労働災害の実態とその特徴,労働安全衛生研究,Vol. 5,No. 2,pp. 73-77,2012. 
  2. 大西明宏:ロールボックスパレット起因による労働災害の実態と特徴,人間工学,Vol. 49,No. 4,pp. 175-182,2013.

(人間工学・リスク管理研究グループ 主任研究員 大西明宏)

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