労働安全衛生総合研究所

技術資料 TD-No.6 の抄録

多店舗展開している小売業・飲食店における業態別労働災害データ分析

TD-No.6
高木元也,菅間敦,高橋明子

 第三次産業の労働災害防止が喫緊の課題である。中長期的に労働災害発生状況をみると、製造業や建設業は顕著に減少する中、第三次産業は未だ増加傾向にあることは極めて憂慮すべき事態である。

 このため、厚生労働省が策定した第12次労働災害防止計画(計画年度:平成 25 年度〜平成29 年度)1)では、小売業、飲食店、社会福祉施設等を対象に労働災害件数の減少を重点目標に掲げるなど、第三次産業対策を重点的に推進している。特に、労働者の転倒災害、腰痛災害等、防止には労働者個人の行動に着目する必要がある災害を行動災害と称し重点課題に掲げている。

 小売業・飲食店の労働災害防止を推進するにあたり、多店舗展開(チェーン展開)している企業には様々な経営形態、商品提供方法等があり、その特性を踏まえることが必要である。例えば、小売業の頻発労働災害の一つに包丁等による切れ・こすれ災害があるが、食品を扱う小売業の中でも、セントラルキッチンを有しそこで調理を行い各店舗に共同配送している業態もある。それらの店舗ではほとんど包丁を使わず、切れ・こすれ災害の発生は極めて少ない。労働災害防止対策を検討する上で、このような各種業態の特徴を踏まえることは重要である。

 そこで、本稿は多店舗展開している小売業・飲食店を対象に、休業 4 日以上死傷災害データを分析し、各種業態別労働災害発生状況の特徴を明らかにした。


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