労働安全衛生総合研究所

技術指針 TR-76 の抄録

工場電気設備防爆指針 −ガス蒸気防爆 1974 一部修正A1976−

TR-76-1

 工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆)は,労働省産業安全研究所の技術指針として1955年に制定,1961年,1965年,1970年及び1974年に全面的改正を行なった。技術の進歩に即応するためその後も引続き関係委員会において審議を続け,振動機器,可燃性ガス警報器用検知部(吸引式),本質安全防爆構造安全保持器の機能試験等について成案を得たので,これに部分修正を必要と認める事項を加えて,ここに1974年版に対する“一部修正 A−1976”として発表するものである。


工場電気設備防爆指針 −粉じん防爆 1976−

TR-76-2

 工場電気設備防爆指針(粉じん防爆1961)は,労働省産業安全研究所技術指針として昭和36年1月に制定公表されたが,その後電圧区分の変更或は引用した工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆)の改訂などにより実状に合わない部分が少なからず生じたので,昭和47年これらの部分に限定して修正を加え,今日に至ったものである。

 ただ,ガス蒸気防爆の指針が公表以来内容も次々に整備され,広く活用されてきたのに対し,粉じん防爆については対象となる粉じん危険場所がガス蒸気の場合ほど多くないこともあり,粉じん防爆機器に対する需要が少なく,このため機器の開発も低調で,指針内容にも種々検討すべき事項があったにもかかわらず,改訂の気運に至らなかった。

 しかし,近年粉じん爆発による重大災害が続発し,爆発防止に対する認識が深まってくると共に,一方,昭和44年4月以降防爆電気機器に対する検定が実施され,機器の防じん性能などに関する試験方法の確立が緊要となるなどにより,指針再検討の気運が高まるに至った。

 このため,昭和46年10月社団法人日本電機工業会の防爆機器技術委員会の下に粉じん防爆技術専門委員会が設けられ,指針改訂のための審議が始められた。この委員会では4年余にわたり31回の委員会が開かれたが,その間,外国規格め調査,機器の防じん性に関する実験,粉じんの発火性に関する実験なども行ない,発火度を取り入れた粉じんの分類,粉じん危険場所の考え方の整理,製作しやすさも考慮した防じん構造の検討,発火度に対応した機器の温度上昇限度の設定,防じん試験等試験方法の確立などの内容を含む改訂案が作成され,これを基礎に更に全般的な検討を続けると共に,社団法人産業安全技術協会などの各防爆関係委員会の協力を得て,一般的事項,電気工事,防爆構造細則,電気機器の保守などについて内容の整備が行なわれ,最終案が作成されるに至ったものである。今般これを当所の工場電気設備防爆委員会に諮り,最終審議を経て,ここに公表する次第である。

 今後本指針が広く活用され,粉じん防爆構造の電気機器が数多く製作され,また,その使用により工場,事業場の粉じん危険場所の防爆化が促進されることを期待するものである。

 なお,本指針については,今後内容の整備を必要とする部分も少なくなく,更に検討を重ねてその完璧を期したいと考えている。

昭和51年10月  労働省産業安全研究所  所長  秋山 英司


安全帯構造指針・安全帯使用指針

TR-76-3

まえがき

 安全帯は墜落災害の防止のために欠くことのできない保護具である。従来,安全帯には鉱山用安全帯と柱上用安全帯のJISが定められているが,産業の発展と安全対策の徹底に伴って,建設業,造船業をはじめ多くの業種で安全帯の使用が増加しており,しかも,これらの各業種における安全帯の使用状態には類似のものが少なくない。このため,安全帯を業種別に区別せず,作業内容に対応して種類を定め,これを1つの指針としてまとめる必要が生じてきた。

 そこで,当所ではこのような統一された安全帯構造指針を定めるため,昭和49年5月,産業安全研究協会(現産業安全技術協会)にその原案作成を委託し,同協会ではその内部に安全帯研究委員会を設け,安全帯構造指針の検討を行うこととしたが,安全帯による墜落災害の防止には,その安全な構造とともに正しい使用法が履行されることが必要であることから,併せて安全帯使用指針の原案を作成することとした。

 その後,これら指針の作成途中において,昭和50年9月8日,労働省告示第67号をもって安全帯の規格が公布され,当所の指針はこの規格の細目的,解説的性格をもつことを要請されるに至った。そこで,当所においてこの要請に従って,委員会で作成された原案に修正を加え,本指針の完成をみたものである。

 本指針は安全帯の規格と表裏の関係にあるが,規格の逐条解説的方法によらず,本指針だけで法的にも技術的にも正しい安全帯の選択,使用ができるようにしたものである。

 また,本指針は一般的に使用される安全帯について規定したため,股かけ,落下傘形等特殊な形状のものは除外した。これらについても,将来その使用量が増加すれば,改めて指針化することが必要となろう。

 なお,従来から当所で行なってきた依頼試験規程にもとづく安全帯の安全性能試験は,今後は原則として本指針に従って実施することとする。


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