労働安全衛生総合研究所

技術指針 TR-No.41 の抄録

安全靴・作業靴技術指針

TR-No.41

はしがき

 安全靴の使用は,労働安全衛生規則第558条によって,事業者は,作業中の労働者に,通路等の構造又は当該作業の状態に応じて,安全靴その他の適当な履物を定め,作業者に使用させることが義務づけられております。しかしながら,平成3年3月に安全靴技術指針(RIIS−TR−90)が発行されるまでは,安全靴に関して,全般的にわたって共通的に適用できる必要性能を定めた技術指針はありませんでした。この15年間に安全靴の性能向上には目覚ましいものがあり,安全性,作業性の面でも指針の基準を大きく越える安全靴が開発されるようになってきており,また,使用者からは指針の内容を改訂し,更なる安全靴の質的な向上が広く求められてきておりました。

 このような情勢に対処して,当所では旧安全靴技術指針を改訂した原案作成を平成16年9月に社団法人産業安全技術協会に委託したところ,平成17年10月に中間報告を受けました。その原案を当研究所のウェブサイト上で公開し,広く一般から意見を求め,それらを受けて中間報告の内容に対して更に見直しを行い,この度,ここに「安全靴・作業靴技術指針」として発表するものであります。本指針の範囲は,安全靴だけでなく,先しんのない作業靴も含めた幅広いものとなっております。

 安全靴・作業靴に求められるすべての性能を満たした靴を製作することは技術的にも経済的にも困難と考えられます。しかしながら,これらの性能のうち,作業内容により最優先すべき性能と,必要性の比較的に低い性能があります。そこで,本指針では,安全靴・作業靴の必要事項を共通事項と特定事項に分けて,それぞれの事項ごとに性能の区分(等級分け)を示し,作業内容に応じた安全靴・作業靴の選択基準を定めてユーザーの便宜を図っております。

 本技術指針により,ユーザーは作業に応じた適正な靴を選択し,また,メーカーは本指針に定められた必要事項をニーズや安全性能や作業性能に応じて安全靴・作業靴を供給するように努力することが求められております。今後,我が国において,より優れた安全靴・作業靴が広い分野で使用されるようになることを期待しております。

 最後に,本指針の原案作成にあたり,ご協力を賜った社団法人産業安全技術協会及び委員各位に対して,深く感謝の意を表します。

平成18年10月1日  独立行政法人 労働安全衛生総合研究所  理事長  荒記 俊一 


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