労働安全衛生総合研究所

技術指針 TR-No.44 の抄録

ユーザーのための工場防爆設備ガイド−2012−

TR-No.44

 可燃性ガス、可燃性液体、可燃性粉じんなどを取り扱う工場・事業場では、電気設備等の持つ点火源によって爆発性雰囲気に着火して爆発災害が生ずるのを防止するため、様々な安全対策が講じられなければならない。安全対策としては、爆発性雰囲気に対するものと、電気設備等に対するものとに大別されるが、いずれもプロセス設備や電気設備などの設計、製作、運転、保守など、メーカー側及びユーザー側双方でバランスのとれた総合的対策であることが重要である。

 当研究所においては、平成6年に産業安全研究所(現労働安全衛生総合研究所)技術指針「ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)」を刊行し、電気設備に関する防爆の基本事項、防爆電気設備の計画、施設及び保守等に関して、技術指針「工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆1979)」を補完するものとして各方面で活用されてきた。

 その後、「工場電気設備防爆指針」については、防爆電気設備関連技術の進歩や国際規格の改定等に対応して見直しを行い、平成18年には従来の構造規格対応の「ガス蒸気防爆2006」及び技術的基準対応の「国際規格に整合した技術的基準対応2006」を刊行し、平成20年3月の構造規格の改正に伴って後者を「国際規格に整合した技術指針2008」に再度改正したところである。

 一方、「ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)」は改正を行わないまま十数年が経過し、最新の技術水準、国際・国内規格、防爆指針等との整合化が逼迫した問題となっていた。

 そこで、当研究所ではユーザー、メーカー及び中立団体の専門家からなる委員会を設け、上記ガイドの改正を行うこととした。改正においては、上記ガイド作成時に活用した海外規格等の最新版等への対応を図ることを基本とし、プラント関連技術、防爆電気機器の製造技術、電気工事の施工技術などの国内における情勢の変化と進歩を取り入れることを考慮した。このため現在のわが国における関係法規その他に必ずしも明記又は詳述されていない内容を包含することになったが、技術的立場から望ましいものであると考え、記すこととした。また、今回の改正により非電気機器及び粉じん防爆についての記述も含めることとしたため、名称を「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」と改めた。

 本ガイドの内容が、旧版と同様それぞれの立場で検討され、広く活用されることを期待する。

 最後に、本ガイドの原案作成審議に当たり、絶大なるご協力を賜った委員各位並びに関係機関、団体に対して、ここに改めて深く感謝の意を表する次第である。


    平成24年11月 1日

独立行政法人労働安全衛生総合研究所
理事長 前田 豊


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