労働安全衛生総合研究所

働く人の「健康」に関する研究施設の公開(登戸地区)
- 平成30年度一般公開を終えて -

1.はじめに

 当研究所登戸地区では、平成30年4月22日(日) 13:30~17:00に研究施設の一般公開を開催しました。当日は天候に恵まれ、暑いくらいの日差しの中、119名の方がお越し頂きました。
 公開内容は、講演2件、施設紹介・体験コーナー6件、ポスター展示11題(7名)でした。どの会場にも多数の方がお見えになり、盛況のうちに一般公開を終えることができました。
 以下、各公開場所における様子を簡単にご紹介させていただきます。


2.講演

(1)講演1 「働く人の健康支援~メタボ対策・体力評価~」
 講演1では、「働く人の健康支援~メタボ対策・体力評価~」という演題で講演しました。高齢化社会を迎えた現在、年齢にかかわらず、永く、元気に働くことができる社会が求められています。そのような社会を構築するためには、労働者の健康支援を行うことにより、健康寿命を伸ばしていく必要があります。そのような視点から行っている研究について解説を行いました。


講演1 「働く人の健康支援~メタボ対策・体力評価~」

(2)講演2 「職場の空気~ホコリの大きさについて考える~」
 講演2では、「職場の空気~ホコリの大きさについて考える~」という演題にて講演を実施いたしました。職場では、有害なホコリ(粉じん)が発生し、それが健康を害することがあります。ホコリ(粉じん)には様々な種類がありますが、ホコリの大きさと肺への侵入部位との関係が有害性に大きな影響を与えることが知られています。本講演では、ホコリの大きさに注目し、吸入防止の方法やマスクによる除去方法について解説しました。


講演2 「職場の空気~ホコリの大きさについて考える~」

3.施設紹介・体験コーナー

(1)体力を測ってみよう!
高齢化社会を迎えた今、年齢にかかわらず、永く、元気に働くことができる社会が求められています。元気に、永く働くために必要なものは、やはり体力です。簡単で安全な体力テストを体験していただき、その結果をわかりやすく解説しました。


施設紹介・体験コーナー(1) 体力を測ってみよう

(2)電子顕微鏡による微小な物質の観察
 小さな粉じんや繊維状物質を見るために、走査型電子顕微鏡(SEM)というものが使われます。ここでは、実際にマイクロメートルからナノメートルサイズの微小粒子を観察し、粒子の大きさや形状を計測する意義について紹介しました。


施設紹介・体験コーナー(2) 電子顕微鏡による微小な物質の観察

(3)人をかたちづくるもの~細胞とDNAをみてみよう~
 人を含むほとんどの生物の体は、様々な種類の細胞が集まって作られていますが、その細胞を作る設計図として機能しているのが「DNA」です。ここでは、顕微鏡観察の他、その細胞をかたちづくっているDNAの抽出を体験していただきました。


施設紹介・体験コーナー(3) 人をかたちづくるもの~細胞とDNAをみてみよう~

(4)「クロマトグラム」ってなあに?
 いろいろな物質が混ざり合ったものを分離する手法をクロマトグラフィーといい、実際にどのように分離したかを示す情報をクロマトグラムといいます。この手法はどのような物質がどのくらい含まれているのかを調べるために使われます。ここでは、カラムクロマトグラフィーを用いてインクの混合物が分離される様子を体験していただくとともに、ラベンダーの香り成分の違いを人の嗅覚で確認し、それぞれの香り成分のクロマトグラムの違いをガスクロマトグラフィーで見ていただきました。


施設紹介・体験コーナー(4) 「クロマトグラム」ってなあに?

(5)低周波音ってどんな音?
 音には様々な波長(周波数)のものがありますが、低周波音による健康影響が問題になることがあります。ここでは、低周波音とはどのようなものなのか、安全レベルの低周波音を体感してもらいながら、低周波音実験室を紹介しました。


施設紹介・体験コーナー(5) 低周波音ってどんな音?


(6)あなたの体は振動をどこで感じていますか?
  振動実験室では、振動実験台に乗っていただき、振動を加える向きや振動の周波数を変えながら、身体で振動を感じる部位がどのように変化していくかを体感していただきました。


施設紹介・体験コーナー(6) あなたの体は振動をどこで感じていますか?


4.ポスター展示

   休憩所を兼ねたポスター展示場では、当研究所の7名の研究者による計11題のポスターを展示し、各研究グループや過労死等調査研究センターで日頃行っている研究の内容を紹介しました。


ポスター展示


5.おわりに

 お陰様をもちまして、今年も一般公開を成功裏に終えることが出来ました。ご来場していただいた方々に感謝いたします。  来場者の方にはアンケートのご記入をお願いしており、本年度は82名の方からご回答をいただきました(回収率69%)。その結果を見ますと、来場者の内訳は会社員(46%)、主婦(12%)、児童・生徒・学生(12%)の順となっており、川崎市内から来られた近隣の方が59%と過半数を占めていました。また、初めて参加された方が61%でしたが、3回目(11%)、4回目以上(11%)と、リピーターになっていただいた方もおられたようです。全体的な満足度は満足(63%)、やや満足(31%)が大半を占め、概ねご好評を頂けたように思われます。  寄せられたご意見を参考に、来年度以降の一般公開を企画させていただくとともに、今後も皆様と研究所を繋ぐ場としていきたいと考えておりますので、今後とも一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

(人間工学研究グループ 齊藤宏之)


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